相続登記の義務化って何?⑥
友結司法書士事務所

相続登記の義務化って何?⑥
今回は、相続登記に必要な戸籍を集めるときに便利な「戸籍の広域交付」の制度についてご案内します。
前回の記事では、下記の具体例を使い、どこの役所でどんな戸籍を取ればいいのか、ということをご紹介しました。
【事例の振り返り】
お亡くなりになった方:八尾太郎さん
お亡くなりになったときの住所:八尾市山本町南〇丁目〇番〇号
生まれてから結婚するまでの本籍地:八尾市本町✕丁目✕番✕号
結婚してからお亡くなりになるまでの本籍地:和歌山県和歌山市和田△丁目△番△号
今までは、
1.まず和歌山市役所で「お亡くなりになったときから結婚するまでさかのぼって」戸籍を取得し、
2.そのあと八尾市役所で「結婚したときから生まれるまでさかのぼって」戸籍を取得する必要がありました。
八尾太郎さんのご家族も八尾市にお住まいだったので、八尾太郎さんの相続登記をするにあたり、八尾市役所で戸籍を取得するのは簡単で時間もかかりませんでしたが、和歌山市役所まで行くのは遠く、また郵送で請求するといっても、請求用紙にどのように書けばいいのかわかりにくいという点を悩まれました。
郵送で戸籍を請求するときは、お金の代わりに郵便局で小為替というものを買って同封する必要があったりと、意外と手間がかかります…。
(小為替って1枚発行してもらうのになんと200円の手数料がかかります。)
【令和6年3月1日から戸籍の広域交付の制度スタート!】
この点、今年の3月から戸籍の広域交付という制度が始まりました!
上記の事例だと、八尾太郎さんが和歌山市に本籍を置いていたときの戸籍謄本も、最寄りの八尾市役所で取得できるという便利な制度です。
ただ、戸籍を申請する人から見て、次の関係にあたる方の戸籍しか取得することができません。
・本人
・配偶者(夫か妻)
・直系尊属(父母、祖父母など)
・直系卑属(子、孫など)
【広域交付制度を使っても、最寄りの役所で戸籍が取れないケースもある】
戸籍の広域交付の制度はとても便利なものですが、相続登記に必要となる戸籍すべてが揃わないというケースがあります。
戸籍の広域交付で取得できないものとして、以下のものがあります。
・コンピューター化される前の戸籍(一部の戸籍や除籍謄本、原戸籍など)
・申請者から見て、兄弟姉妹の戸籍など
相続登記の実務に長年携わっていますが(現時点で相続登記をされる方のご年齢から考えますに)、
生まれてからお亡くなりになるまでの戸籍で、コンピュータ化される前の戸籍がまったく含まれていないという方はほとんどいない印象ですし、
兄弟姉妹にお子さんがいらっしゃらず、親御さんもすでに他界されているために共同姉妹が相続人となるというケースもよくあります。
そのため、現時点では戸籍の広域交付制度を利用したとしても、最寄りの市役所で相続登記に必要となる戸籍がすべてそろうということはなかなかレアケースなのではないかと…。
となると、やはり遠方の役所から戸籍を郵送で取り寄せないといけないというのはこれからも一定期間続くのではないかと思います。
ご自身で戸籍を集めるのが大変な場合や、手間と時間をかけられないという場合は、相続登記をご依頼いただく際に、戸籍の収集もあわせて司法書士が代理で行うということも可能です。
※当事務所の場合は、一つの役所について1,100円の手数料と実費(小為替代と郵送料)をいただいており、ご自身で郵送請求される場合との差は5,000円以内に収まることが多いです。(もちろん、転籍が多い方はもう少し手数料が多くなってしまいますが…。)
次回は、相続登記の義務化シリーズの最後、過料についてご案内します。
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司法書士 岩本友加吏
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